近圧協の安全・技術への取組み

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  • 安全への取組み

全ブーム車の超音波探傷検査による
点検と全ポンプ車の特定自主検査の徹底

2002~04年当時、厚労省労働基準局安全衛生部は、全国的なコンクリートポンプ車ブーム折損による死亡重大災害をはじめとした事故続発を受けて、ブーム溶接部の亀裂を探傷器等で調べるように再徹底を図る通達を発しました。 これを受けて、当協組は、全国に先駆けて、検査費用を協組負担として、2005年8月より、全ブーム車についてメーカー指定工場での超音波探傷検査(3年以内新車除く)を開始し継続しております。
2009年からは、厚労省の更なる指導により、「特定自主検査」項目に超音波探傷検査導入が義務付けられ、これについても全車で実施しております。


また、コンクリートポンプ車は安全衛生法及び安衛則に基づき、特定自主検査を実施して、検査済のステッカー(標章)を指定の場所に添付することが義務づけられています。コンクリートポンプ車の災害事故を未然に防ぐため、これら法定点検・検査の遵守に努めています。

  • 旋回台超音波探傷検査
  • ブーム超音波探傷検査
    アウトリガー超音波探傷検査
月次安全衛生会議の定例化

全組合員に、月1回以上の労働安全衛生会議の実施を義務化し、実施状況を点検しております。全組合員は、安全技術委員会(理事会諮問機関)に、労働安全衛生会議の内容を報告しております。
安全技術委員会では、毎月現場で起きる「ヒヤリハット」などの情報を収集・分析し、労働災害の未然防止、再発防止を目的として、全組合員にフィードバックして注意喚起し、常時不安全行動災害の防止と改善に努めております。

作業開始前点検表(統一書式)の無料配布

組合員からのヒヤリハットなどの事例から蓄積した事例をもとに、ポンプ車の作業開始前点検表(統一書式)を作成し、全組合員に無料配布し、作業時の安全徹底を図っております。

ヘルメット・墜落制止用器具の支給と熱中症対策

組合員には、ヘルメットや墜落制止用器具は無料支給し、耐用年数を基準に随時新品と交換しております。また、夏場の熱中症対策として、経口補水液OS1・防暑タレ・飴(塩分補給)の他、2014年からは空調服の無料支給も開始し、労働災害防止に努めております。

普通救命講習の推奨

近圧協では、2007年より、組合員の皆様に3時間の普通救命講習Ⅰの全員受講と3年ごとの更新を徹底しております。

安全大会開催

長年無事故で安全作業に努めている労働者を表彰し、近圧協全体で安全に対する意識を高める取組みをしております。
平成19年6月の第1回安全大会を皮切りに、毎年1回開催しております。毎年ゼネコン、建専連・大阪府建団連、全圧連など来賓皆様から御祝辞をいただいて、安全衛生管理の重要性を再確認しております。

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  • 技術向上

圧送技術研究会・フィールド実験・日本建築学会発表

2004(平成16)年から「生コンクリートの圧送性評価手法に関する研究」という枠組みで、日本建築学会近畿支部材料・施工部会ポンプ工法WGに研究委託を行い、ポンプ工法に関する技術の向上や、ポンプ圧送性評価ソフトの開発を行っております。
2005(平成17)年からは実大規模のフィールド実験を毎年実施し、圧送性評価手法の確立、圧送メカニズムの解析を行って、生コンクリートの品質維持したスムーズなコンクリート圧送施工に活かしております。
また、これまでに19回の圧送技術研究会開催と日本建築学会大会への16年継続した論文投稿を行い、これらの成果を報告してきました。
環境に配慮した残コン削減などの研究にも取組んでおり、毎年の圧送技術研究会には、全国の圧送業者・ゼネコン・生コン製造・混和剤メーカー・ポンプメーカー・自治体担当者・研究機関など多数ご参加いただいております。

圧送技術研究会

共催

一般社団法人 日本建築学会近畿支部材料・施工部会
近畿生コンクリート圧送協同組合

後援

公益社団法人 土木学会
公益社団法人 日本コンクリート工学会近畿支部
一般社団法人 大阪建設業協会
全国生コンクリート工業組合連合会近畿地区本部
和歌山県生コンクリート工業組合
大阪兵庫生コンクリート工業組合
コンクリート用化学混和剤協会
一般社団法人 全国コンクリート圧送事業団体連合会
一般社団法人 日本建設機械工業会


  • ポンプ圧送性評価ソフト

2022年度版ポンプ圧送性評価ソフト/2022年度版K値推定ソフトVer8.0.0.2
  • 日本建築学会近畿支部材料・施工部会と当協同組合共催の圧送技術研究会で作成しました、2022年度版のポンプ圧送性評価ソフト及びK値推定ソフトは以下からダウンロード頂けます。
    詳細はこちらよりご確認ください。


  • 教育DVD

教育DVDの作成(動画による独自教材)

当組合の安全技術委員会において、現場に従事する労働者への安全教育に有効な教材の作成に取組んできました。
2011年9月には、第1弾として、「コンクリートポンプ車 安全作業手順マニュアル」を完成しました。実際に現場での圧送作業の撮影を通して、安全確認と作業手順の見本を示しております。
2014年3月には、第2弾として、「コンクリートポンプ車基本的な点検・整備」を制作しました。コンクリートポンプ車の月次点検の見本として、ご活用いただけます。
2017年3月には、第3弾として、「コンクリート圧送業務の標準化動画マニュアル」として、安全な圧送作業を前提に各打設局面における最も合理的で効率的な作業の典型を示したDVDを作成しました。
動画教材の作成は全国的にもはじめての先進な取組みであり、新規入職者向けの教育用としてはもちろん、ベテランの方々にもご活用頂き、事故防止に役立てて頂きたいと考えております。また、こちらのDVDの内容は国土交通省作成の「建設技能トレーニングプログラム(建トレ)」中の映像資料にもご採用頂いております(https://kensetsu-shokunin.jp/book-search/viewnew/bookNum/32/)。
圧送の安全教育の現状を理解していただくために、また圧送業への入職を考えている方が仕事の内容を知るためなどご活用いただきたく、建設関係の皆様、関係行政機関、全国の圧送事業者に無料送付しております。

  • コンクリートポンプ車
    安全作業手順マニュアル
  • コンクリートポンプ車
    基本的な点検・整備
  • コンクリート圧送業務の標準化
    動画マニュアル

掲載の動画は冒頭1分の映像を抜粋したものです。DVDご入用の方はフォームよりお問い合わせください。

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  • 活動報告

コンクリート圧送勉強会(行政主催)

これまで大阪府は20回、奈良県15回、兵庫県4回、滋賀県3回、その他市町村にも協力要請をいただいて行政主催の圧送勉強会に近圧協から講師を派遣させて頂いております。
これからも更なる安全な施工技術の開発と普及、安全管理体制の強化に取組んでまいります。

組合団体保険制度

全組合員が共同事業の安心安全のスローガンを踏まえて団体保険《請負賠償責任保険【生コン固形化(持ち帰り事故)含む】》に加入しております。

社会保険加入など労働関連諸法令に対するコンプライアンスの徹底

近年、安全を担保するために、現場で働く労働者の労働環境の改善がなければならないと、官民挙げて社会保険加入(法定福利費の別枠請求)などに取組まれている現状があります。
当協組では、前身である大阪生コンクリート圧送協同組合時代から、本格的に全組合員の社会保険加入の徹底に取組み、組合員の皆様が安心して働ける労働環境を実現しております。

建築・土木技能体験フェアへの出展

子供から大人まで、建設専門工事業を理解してもらい、ものづくりの魅力、やりがいや楽しさを伝え、多くの職人の技を紹介するために、大阪府建団連主催の建築・土木技能体験フェア〈技フェスタ〉に出展しています。

「大阪城コンクリートカヌー競技大会」への協賛

コンクリートカヌー競技大会は、土木材料を学ぶ教育活動の一環として、土木を学ぶ高校生や高専生、大学生を対象に開催されている大会で、学生が設計したカヌーをコンクリート材料の配合などに工夫を凝らしたコンクリートにより製作し、実際に競漕を行います。
近圧協はコンクリートカヌー競技大会に協賛しています。

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  • コンクリート圧送業の資格

資格取得の奨励

コンクリート圧送工事については、圧送現場に見合ったコンクリートポンプ車の選定、コンクリートポンプ車を操作する為の資格、施工トラブルを処理するための高度な知識と経験が求められます。
安全に施工するためには、事前に関係者と圧送計画を立案し・打合せする必要があります。
そこで当協組は、現場に従事する労働者の自己啓発の促進と技術力向上を図るために、資格取得を励行するとともに、安全教育の徹底を図り、コンクリート工事全般の施工管理にも関与できる責任ある人材育成に努めており、登録コンクリート圧送基幹技能者においては全国で最も多く(2023年2月現在168名)所属しております。
年に3回、安全衛生責任者会議を開催し、安全責任者との意思疎通を図っております。リスク低減対策として「リスクアセスメント-コンクリート圧送作業危険有害要因特定標準モデル」を安全衛生責任者会議での講習をはじめ、職長・安全衛生責任者教育、全圧連統一安全技術講習会に適宜活用し、安全衛生の対策に努めております。

近圧協の資格保有者

2023年2月現在

登録コンクリート圧送基幹技能者 168名

一級コンクリート圧送施工技能士 591名

二級コンクリート圧送施工技能士 145名

コンクリート技士        24名

コンクリート主任技士      5名

コンクリート診断士       2名

1級建築士           1名

全圧連 全国統一安全・技術講習会  毎年全員参加

1.当協組は、1985(昭和60)年、労働者災害補償保険法の適用改正に伴い、現場に従事する労働者の安全意識及び圧送技術向上のために、全圧連の統一安全・技術講習会を毎年全員受講するよう推進しております。(2021年度901名)

2.本講習会の評価は高く、現在、土木学会・日本建築学会など、本講習会修了者をコンクリート施工時に配置するように明記する工事仕様書も多く出されております。

コンンクリートポンプ車特別教育 及び
コンクリートポンプ作業従事者危険再認識教育

1.コンクリートポンプ圧送業務には、「特別教育」「職長・安全衛生責任者教育」「特定自主検査」が根幹にあるため、労働安全衛生法に基づき、様々な資格と管理が必要になります。そのために安衛法(59条)で定められた安全及び衛生の特別教育を受けた者でなければ、圧送業務に関わることができません。近圧協では、会員に対し、この「特別教育」を実施し、修了者には、全圧連より「特別教育修了証」が発行されます。

2.毎年実施している全圧連統一安全技術講習会では、労働基準局通達に基づき、カリキュラムを再編強化し、特別教育修了した者に3年ごとに「コンクリートポンプ作業従事者危険再認識教育」を実施しています。(2021年度 901名受講)

3.なお、次項の足場の組立て等特別教育、及びフルハーネス型墜落制止用器具特別教育と併せて、2020年より特別教育の修了証は右の統合型カードに変更となっております。


足場の組立て等特別教育、及びフルハーネス型墜落制止用器具特別教育

1.足場の組立て等特別教育
足場からの墜落災害防止の措置を強化するため、平成27年7月1日より労働安全衛生規則が一部改正され、足場の組立て等(解体または変更)の業務に従事する者に特別教育の修了が義務づけられました。
これに伴い、コンクリート圧送工事において、コンクリートポンプ車のブームや輸送管などを打込み箇所に設置するために、足場の構成部材の一部を取り外すなどの行為を行う圧送従事者においても、特別教育の修了が必要となりました。
このため平成28年度より、圧送従事者への「足場の組立て等の業務に係る特別教育」を実施し、コンクリート圧送工事現場における安全施工に努めています。修了者には、全圧連より「足場の組立て等特別教育修了証(統合型カード)」が発行されます。

2.フルハーネス型墜落制止用器具特別教育
労働安全衛生規則が一部改正され、現場状況に応じたフルハーネス型墜落制止用器具(フルハーネス型安全帯)の使用が、平成31年2月1日より施行され、フルハーネス型安全帯を用いて行う作業の業務に従事する者に、特別教育の修了が義務づけられました。
このため平成31年2月より、圧送従事者への「フルハーネス型墜落制止用器具の特別教育」を実施し、コンクリート圧送工事現場における安全施工に努めています。
修了者には、全圧連より「フルハーネス型墜落制止用器具特別教育修了証(統合型カード)」が発行されます。

コンクリート圧送施工技能士

コンクリート圧送工事現場での実施工における知識・経験を検定する国家資格です。品質確保の観点からコンクリート圧送施工技能士を優先起用、現場配置することが日本建築学会・土木学会などの工事仕様書に明記されています。

登録コンクリート圧送基幹技能者

1.建設業法施工規則に基づく登録資格で、コンクリート圧送施工に係る技術・技能だけでなく、コンクリート工事全般に対する施工管理・調整・指導能力を有する者に与えられる資格で、当組合には全国で一番多く所属しております。(2023年2月現在168名)
経審の加点対象であるほか、入札時の総合評価方式での加点や現場への配置義務化を進める自治体、発注者が増えています。

2.コンクリート圧送基幹技能者を認定する実施主体、全圧連では、「コンクリート圧送基幹技能者認定委員会(以下、認定委員会)」を設置されており、資格を取得するためには、認定委員会が定める審査規定に基づいて認定審査を受け、合格しなければなりません。
(認定講習の受講資格として、以下の3つが必要です。①コンクリート圧送工事に関する経験が10年以上 ②1級コンクリート圧送施工技能士の資格を有すること ③職長経験3年以上)

登録コンクリート圧送基幹技能者の果たす役割

  • 1. 元請(技術者)との間で、現場状況に応じた施工方法等の提案、調整を行う
  • 2. コンクリート圧送に係る施工計画を策定する(圧送計画)
  • 3. コンクリート圧送に係る技術的な管理を行う(機械等)
  • 4. コンクリート圧送工事の作業手順を構成し、実施する
  • 5. 直接施工に携わる技能者(圧送工)に対し、施工に係る指示・指導を行う
  • 6. コンクリートの品質確保や作業の円滑な遂行のため、他の専門工事業者(基幹技能者・職長等)、 生コンクリート製造業者(生コン管理者)との間で、前工程・後工程に配慮した連絡・調整を行う
職長・安全衛生責任者教育

リスク低減対策として「リスクアセスメント-コンクリート圧送作業危険有害要因特定標準モデル」を安全衛生責任者会議での講習をはじめ、安衛法第60条の「職長教育」並びに平成13年3月26日付基発第178号の「安全衛生責任者に対する安全衛生教育」に基づく教育を実施し、修了者の養成を行っています。近圧協では年に3回安全衛生責任者会議を開催し、労働災害の防止に努めています。